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高周波熱処理

高周波熱処理

高周波焼入れ(誘導加熱焼入れとも言います)とは、一言で表現するなら必要な部位のみ加熱・冷却して焼きを入れる処理です。英語では、Induction Hardening 略して『IH』です。

その原理を簡単に紹介いたします。

①電磁誘導現象を利用する

電磁誘導とは、電源に繋いだコイルAの近くに別のコイルBを置いた状態(両方のコイルは非接触状態)で電源を入れると磁界が発生し、この瞬間コイルBにも電流が誘起されます。(電源を遮断した瞬間も同様です)このコイルBに電流が誘起される事を電磁誘導現象と言います。

②誘起された電流により製品を加熱する。

電磁誘導により誘起された電流(渦電流)を用いて、コイルBの代わりに製品(金属)を置く事で製品に電流が流れます。
製品に電流が流れると、抵抗によりジュ-ル熱が発生し製品が自己発熱されるといった直接加熱方式で効率良く加熱される。

③必要な部位の必要な深さのみ加熱する

加熱したい製品部位の形状に合わせてコイルAの形状を作製することにより必要な部位のみ加熱されます。
電源の周波数が高い程、誘起された電流は製品の表面に集中します。(表皮効果と言います)製品形状(大きさ)や得たい硬化層深さにより周波数を任意に選定します。

当社の特徴

使用周波数帯は20~400kHzであり中・高周波です。大型製品から精密部品までを処理可能にするため発振源は真空管式を使用しています。シャフト類ではロボットによる最大4軸同時焼き入れが可能です。また、多段溝Vプ-リなど、ライン化が困難な製品の処理も可能です。加熱用コイルは社内製作(一部外注)のため、試作処理までのリ-ドタイムも短いです。冷却媒体も水溶液のみならず油冷装置も有しており、大型のギヤ類の処理も可能です。
また、同一工場内にて、調質処理、浸炭処理、ガス軟窒化処理も行っており、浸炭+高周波焼き入れ・ガス軟窒化+高周波焼き入れ等のハイブリット処理が容易に可能な事も特徴の一つです。

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